よく、「ネイティヴのような発音」という表現を耳にしますが、英語のネイティヴ・スピーカーの多様性を考慮すると、あまり意味があるとは思えません。それよりも、相手に通じる発音を心がけたほうがいいでしょう。
注意するポイントは、たったの二つ、「アクセント」と「子音」です。
1 アクセントとは
2 強弱リズムの練習
3 カタカナ表記と子音
4 RとLの発音の仕方
5 まとめ
アクセントとは
英語で「アクセント」と言った場合、二つの意味があります。ひとつは「訛り」というニュアンスで使われており、「ブリティッシュ・アクセント」や「フレンチ・アクセント」という具合に、異なった話し方という意味です。
もう一つは、一つの単語において、もっとも強く発音すべき音節を示すアクセントです。ひとつの英単語には、もっとも強く発音する音が一つだけあり、発音記号ではこの部分にアクセント記号があります。
第一のアクセントは、話者の言語文化的な背景によって異なりますが、第二の意味のアクセント(強調部)は、必ず決まっています。
ですから、英語を話す場合、この、強く発音する部分を意識しましょう。
アクセントを考える上で大事なことは「音節(Syllable)」です。
たとえば、カタカナの「ヴァイオリン(日本語)」を発音すると、「ヴァ」「イ」「オ」「リ」「ン」と五音節になりますが、英語の「violin」 は、vio-linと、二音節です。つまり、子音と母音がセットになっている部分にしか音節がないのです。そして、アクセントは「lin」にあります。
強弱リズムの練習
単語は、それだけで使われるのではなく、必ずいくつかの単語が結合され、センテンスとして続けて発音されます。ある単語のアクセントを覚えたら、次にそれをセンテンスの中で使います。
一つの単語の中での音節の数え方と同様、センテンスとなったときの音のかたまりも、各単語のアクセント部分を、点と点を結ぶようにして強く発音し、残りの部分を弱く発音することで、大きな波のようなリズムを数えることができます。
たとえば、” My colleagues and I take care of some patients.”という文章があったとします。
これを「(1)マイ・(2)カリーグズ・(3)アンド・(4)アイ……」と、一語ずつ区切って発音すると、相手は何を言っているのか理解できないでしょう。
この例文を、自動読み上げ機能のあるGoogle翻訳か何かにタイプして、音声を聞くと、
「(1)マィ・カリーグザ(2)ナーイ・トゥッ(3)ケァオッ・サム(4)ペーシェン」といった、四つの音のかたまりに聞こえますので、それをそのまま何度も真似をしてみましょう。
カタカナ表記と子音
日本人が気を付けなければならないもう一つポイントは、子音のカタカナ表記です。
次のカタカナ英語のアルファベット表記はどれでしょう。
花が「咲く」を意味する「ブルーム」は? (1)broom、(2)bloom
花婿の「グルーム」は? (1)gloom、(2)groom
ホテルの「スイート」は? (1)sweet、(2)suite
フリーマーケット」は? (1)free market、(2)flee market
英語の子音のいくつかはカタカナで表記できません。たとえば、LとR。
loveとrubは、まったく違う言葉で、発音も全然違いますが、カタカナだと、どちらも「ラブ」になってしまいます。
ポイントは、rなのかlなのか。fなのかhなのか。vなのかbなのか。そして、最後が母音で終わっているのか、子音で終わっているのかでしょう。
ちなみに、上の問題の答えは、どれも(2)です。
RとLの発音の仕方
LとRそれぞれの音の出し方は、次のようにすればいいでしょう。
まず、Lですが、最近話題になった映画のタイトル、La La land の「La La」の部分を発音してみます。
「ナ・ナ・ナ……」と、続けて言ってみましょう。
では、途中から、舌の動きは同じで、鼻から息を抜くのをやめます。途中で音が変わります。
「ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ラ・ラ・ラ・ラ・ラ・ラ」
はい、これがLaの音です。
次にRの音ですが、これは舌が口の中の、どこにも接触しません。
「ぅわっ」と3回言ってみましょう。
「ぅわっ・ぅわっ・ぅわっ」
では、「ぅわっ」と言いながら、舌を内側に巻きます。
ジャイアント馬場のような声(若い人は知らないか)が出れば、それがRです。
まとめ
ネイティヴのように話す必要はありません。ただ、アクセントがどこにあるのかに注意して、リズムに従ってセンテンスを発声する練習をしましょう。そして。カタカナ表記になじんでいる場合の本当のスペルはどうなのかについては、常に辞書をチェックして意識する必要があります。